コーヒーがおいしい。
私はペーパードリップでコーヒーを淹れる。ドリップポットからチョロッとお湯を入れると、ボコボコと粉が盛り上がってくる。まるでコーヒーが呼吸をしているようだ。
蒸らしている間にいい香りが湯気になって立ち上ってくる。
ああ、本当にいい香り…これだけでもうリフレッシュ!
そして、おいしいケーキと一緒にコーヒーをいただく。
うまいっ!!
我が家の休日の光景だ。
おいしいのには理由がある。近年、「スペシャルティコーヒー」という概念が誕生したからだ。今までは、例えば、ブラジルであれば、生産地や品種に関係なく、ブラジル国内の複数の農園の豆がごちゃまぜになり、「ブラジル」として輸出されていた。また、豆の良し悪しの基準も生産する国によってバラバラだった。そこには生産者の基準はあっても、消費者の基準というものがなかったのだ。2000年になって、消費国がより厳密な品質の基準を設け、客観的にコーヒーを評価する動きが出てきた。要するに、どこで、誰が、どんな方法で、なぜこんな香味になるのか、を明確にすることが問われるようになったということだ。それらが明確で、最高品質のものがスペシャルティコーヒーということになる。現在では、○○国、○○農園、ブルボン種(品種)、ウォッシュト(精製方法)の豆というように、各国の豆が農園単位で楽しめるようになった。これはすごいことだ。同じ「ブラジル」でも無数の味が楽しめる。その点でワインと似ているが、何と言ってもコーヒーは価格が安いのが魅力である。
各国の各農園の味が楽しめるようになってきたコーヒー、そのままストレート(1種類だけ)でも十分おいしいが、それを混ぜる(ブレンド)ことで、奥行きがあり複雑な新しい味を創り出すことができる(ちなみに、スペシャルティコーヒー以前のブレンドは、無難で飲みやすいものにするためが目的の消極的なものだった)。そのブレンドの組み合わせの数は、スペシャルティコーヒーの誕生で飛躍的に増えた。ただし、それぞれの産地の豆の特徴をよく把握することが必要になるが。
ところで、私は今までいろんなことをチャレンジ・体験してきた。
学生時代は、様々な職種のバイト、大学生や社会人との交流など、とにかくいろんなものを見てやろうと思って積極的に行動した。就職してからも、スポーツや創作活動など、お金と時間の許す限り精力的に取り組んでいる。
仕事では税務から始まり、農政、地域振興、庶務、福祉、研修事務を担当、諸先輩や周りの方々に支えられてではあるが、業務についての知識を深めることができた。
これから先においても、仕事やプライベートでできる限りいろんなことをやっていきたい。なぜなら、それらの経験ひとつひとつが私にとっては「スペシャルティコーヒー」だからだ。その数が増えるほど、様々な組み合わせのブレンドが生まれるとともに、創造する力が備わり、より味わい深い豊かな人生になっていくのではないだろうか、私はそう考えている。
※ このコラムは執筆者の個人的見解であり、公益財団法人ふくしま自治研修センターの公式見解を示すものではありません
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