2016.7.13
  「思春期の子育て」

                                         主任主査 平栗 哲也


 
私には、子どもが3人います。小学5年生の双子と2歳の子ども。全員、男の子です。街から少し離れ、畑に囲まれた家で暮らしているため、子どもはすくすくと伸び伸びと育っています。多少は大声で騒いでいても、あまり近所迷惑を気にしないで済みます。(たまに近所の方から、「元気なお子さんの声が聞こえるわよ。」と言われますが…。)

 子どもが2、3歳の頃は、私が仕事へ行くときは、玄関まで来て、手を大きく振って見送ってくれ、また、私が仕事から帰ると、満面の笑みで玄関まで出迎え、抱きついてきました。
 どこへ行くにもついてきて(トイレにまで、私の後を追いかけてきました。)、出かけようとすると、両手を挙げて「抱っこー」と懇願の表情で言いました。「新幹線にまた乗りたーい!」、「また、○○に行きたーい!」などと嬉しそうに何回もしゃべってくれました。私も、自然とにっこりしてしまいます。

 あんなに無邪気で、かわいかった息子が、思春期となると、何となく不機嫌で無愛想になります。

 この時期は、たくさん食べます。ごはんはどんぶりです。特に、カレーライスのときはびっくりするほどです。そんなに盛って食べられるのかなと思っていると、意外にペロリと食べてしまいます。

 食べる方は一人前、いや二人前、三人前ですが、お勉強の方は、半人前です。
 いつまで経っても、なかなか勉強を始めようとしないので、「早く勉強しなさい。」と毎日、何回も家族から注意されています。「宿題をやって、時間割を揃えて、やるべきことをやってから、思う存分遊べばいいのに…」といつも思っていますが、当の本人は、気が向かない様子。成長が見られず、残念です。

 親の考えや期待を思春期の子どもにうまく伝えることは難しいと感じます。
 子どもの気分を損ねることなく、うまく勉強をやる気にさせる方法はないかなといつも考えています。

 大切にするものの優先順位が、親と子供とでは全く違うのだろうと思います。
 親は、子どもの将来を見据えて、今、何をすべきかを考え、やらなくてはならないことから順番にやります。しかし、子どもは、将来のことは将来のことと割り切り、将来のことよりも、今やりたいことをやる、今のこの瞬間を大事にします。子どもは子どもなりにいろいろと考えているのだろうけれども、親からすると、あまり考えているようには見えず、気の向くまま、単純に、今やりたいことをやっているように思えます。ある意味、自分に正直なのかもしれません。どうしたら、子どもの心に響く話し方ができるのかなと考えてしまいます。
 (多くの親御さんから、それは永遠の課題だ、と言われそうです。)



※ このコラムは執筆者の個人的見解であり、公益財団法人ふくしま自治研修センターの公式見解を示すものではありません