我が家では、次男の“休日にパパと一緒に遊びたい!”という一言がきっかけで、福島県がアフターDC「福が満開、福のしま。」福島県観光キャンペーン2016特別企画として実施している「リアル宝探しイベントin
福島 コードF6」(※1)に挑戦してみることになった。このイベントは「謎めいた宝の地図(参加冊子)を手掛かりに、福島県内35エリアのどこかに隠された宝箱を探す体験型のリアル宝探しゲーム」で、発見エリア数に応じて各種賞品がもらえる(あるいは抽選で賞品がもらえる)「観光+α」の楽しみ満載の企画である。
数年前から行われていたことは知っていたが、休みの日ぐらい家でゆっくりしたいなどという“言い訳”を自分の心の中に作ってしまって、興味を持つことがなかった。しかし、長男はすでに大学生となって家を離れてしまったことから、次男が反抗期になる前に思い出作りをしたいなあ、などと考えてはいたのである。
そこで、冒頭でのやりとりから妻とも意気投合し、イベント参加が決定した。
最初は土湯温泉や飯坂温泉など、サクッと行ける近場から捜索を開始し、5エリア程度はクリアできた。だが、謎が解けずにポイントである街をうろうろし、山道をかき分けながら見つからず途方に暮れるなどの苦労も多数味わったこと、真夏の暑さなどから、次第に捜索をサボるようになってしまった。
そこで、宝探しだけで廻ろうとするのではなく「宝探し+α」を心がけてみようとなり、今年は10年ぶりに家族でキャンプにも挑戦できた。次男は初めての体験づくしで疲れていたようだが、親としては「またひとつ思い出作りになったなあ」などと自己満足をしつつ、捜索を再開した。

【郡山市 高柴デコ屋敷】
その後、古殿町のポイントを発見したところで「15エリアクリア賞」をGETしてからやる気が加速し、土日になると「今度はここに行ってみよう、このエリアをまとめてクリアしよう」などと、次男や妻よりも私が一番ハマっていった。
古殿町の発見報告所は「道の駅ふるどの」であった。クリアスタンプを押してもらった際に「15エリア発見、おめでとうございます。随分いっぱい回りましたね。まだまだ頑張ってください!」と担当の方から優しい言葉をかけてもらい、達成感と心地よい疲労感を久々に感じた。道の駅で購入したカブトムシたちがその後順調に産卵までしてくれたおかげで、現在我が家では約30匹の幼虫たちが日々成長していて、家に帰ってから様子を観察するのが楽しみになり、古殿での思い出が現在進行形で続いている(世話はすべて私ですが)。

【カブトムシの幼虫】
このイベントは、当然“観光振興策”として行われている、しかし、いわゆる観光名所と呼ばれる場所ではない、あまり外部の人が訪ねては来ないような“地域の隠れた名所”を半強制的に(宝を探すためなので自主的ではあるが)訪ねることになる、おもしろい仕掛けであると感じた。
実際に塙町を訪ねた際には、地元の中学生が立ち寄っていた昔からの玩具店で息子とおもちゃを買い、郡山の高柴デコ屋敷では縁起物の張子の猫を衝動買いするなど、このイベントに参加しなければ立ち寄ることはなかったかもしれない場所に多く行き、福島県内の各地域の特徴や雰囲気を感じ取ることができたことは、貴重な経験となった。
現在、センターでは、県内在住の外国人の皆さんにアドバイザーとして協力いただき、「政策研究会」を開催している。今年度のテーマは訪日外国人旅行者(インバウンド)を福島に呼び込むための戦略作りであり、“誘客戦略のヒント”を探るべく個人的に県内を多く見ておきたかったというのも動機の一つであった。
外国人アドバイザーからの意見で印象に残っているのが、“アジア系の観光客はお得感やプレミア感に惹かれるのではないか”、あるいは“日本のどこにでもあるような当たり前の風景や暮らし、伝統的な技術や暮らしの知恵などを知りたい、体験してみたいという好奇心をそそられるようなプランがあれば自然と口コミなどで集まってくるのではないか”などの意見であった。
前述のリアル宝探しイベントは日本人、外国人の区別なく行われていると思うが、訪日外国人旅行者向けにこのような仕掛けづくりをきっかけにした地域めぐりの旅を提案できればおもしろいと感じた。多くの旅行者が訪れるようになり、身振り手振りが中心のコミュニケーションであっても旅行者と触れ合うことができれば、“田舎には何もない”が“田舎だから味わえるものがある”というように、地域の誇りや自信が出てきて意識も変わり、“外国人ウェルカム”となりはしないか。
今年の「リアル宝探しイベントin 福島 コードF6」は10月30日で終了します。
我が家はラストのいわき市には泊りがけで行き、その後鮫川村で完全制覇をしました。
まだ経験されていない方、来年も開催される場合には、ぜひリアル宝探しに挑戦してみませんか!
引用資料出所:※1 株式会社
タカラッシュ「リアル宝探しイベントin 福島 コードF6」
このコラムは執筆者の個人的見解であり、公益財団法人ふくしま自治研修センターの公式見解を示すものではありません
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