現在、私の故郷である須賀川市では、ウルトラマンの生みの親である円谷英二監督の出身地が須賀川という縁もあり、円谷プロと連携して街中に初代やゾフィー、ゴモラ、エレキングのモニュメントを建てたり、「すかがわ市M78光の町」の住民登録を募集するなど、様々な企画やイベントを催しており、今やウルトラマンは須賀川に欠かせないものとなっています。
私も子供の頃から円谷プロの作品が大好きで、ウルトラシリーズはもちろん、ミラーマン、ジャンボーグA、ファイヤーマンなどのヒーローものから、快獣ブースカ、チビラくんのコミカルもの、大人になってからは怪奇大作戦などのミステリーものを時に血沸き肉踊ったり、時に背筋がゾッとするような怖さを感じるながら、今も“現在進行形”でDVD鑑賞を楽しんでいます。
また、大人になって改めて見ると、子どもの頃とは少々違う印象を感じることがあります。その代表的な作品がウルトラセブンの最終回「史上最大の侵略(後編)」です。
ストーリーは、ご存じの方も多いかと思います。
物凄く大まかにあらすじを言いますと、連戦で傷ついたセブン(モロボシダン)は、セブン上司から「このままだと命に関わる。変身してはダメ絶対。」ということで帰還命令が下されるなか、怪獣パンドンが現れます。ダンは同僚の女性隊員であるアンヌに自分がセブンであることを告げ、変身します。セブンは傷つき倒れながらも、ウルトラ警備隊の協力のもと、見事パンドンを倒し、光の国へ帰っていくというお話です。
この最終回を見て、子どもの頃は、どんなに傷ついても地球を守ってくれた!強い!カッコいい!という気持ちになりましたし、大人になった今でもその思いは変わらない一方で、別の気持ちが過ることがあります。
「果たしてセブンは幸せだったのだろうか」と。
セブンは身を粉にして、地球の侵略を企てる異星人や怪獣を倒しまくって、地球の平和は守られましたが、自身は過労死寸前(というか、最終回では生死が定かになっていない)まで追い込まれ、結局セブン自身が得たものは何だったのでしょうか。
これがもし自分に置き換えてみて考えた時、たとえ「人々の笑顔」のために頑張って働いても、心身ともに疲労した状態では、達成感や充実感は感じられず、仕事に対する「やりがい」やプライベートでの「生きがい」を見つけることができないと感じました。
「やらなければいけないこと」は当然やらなければいけないし、努力も惜しみませんが、 同時に、ミッションが達成されたら「ワクワクするような楽しい事が待っている」というゴールを設定し、自分を奮いたたせることがメリハリのある生活に繋がるのかなと、セブンの最終回を通して改めて思った今日この頃です。
でも、なんだかんだ言って、傷ついても1人で怪獣を倒す男の背中はカッコいいですね!
※ このコラムは執筆者の個人的見解であり、公益財団法人ふくしま自治研修センターの公式見解を示すものではありません
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