当センターの職員には、裏の仕事としてコラム執筆と朝礼での3分間スピーチが義務付けられている。仕事柄、人前で話す訓練、文章を書く訓練でもあるそうだ。
忙しさを理由に昨年度はコラムのほうは書かず仕舞いであったが、今年度、センター体制も一新されあらためて執筆依頼を受けてしまった。(※前号参照)
担当者曰く、「部長は新しい研修体系でも紹介したら・・・。」
テーマ、話題については「何でもOK」ということで、当番になった職員は「何を話そうか、何を書こうか。」結構、頭を悩ませているようだ。
先日、自分にスピーチが回って来たときは、結局はギャンブルネタから入ってしまったが、どうも自分にはこれしかないらしい。
昔から「趣味は?」と聞かれると、ギャンブル一般と応えている。(実際これしかないのだが・・・)
自分で言うのもなんだが、結構、真面目に見られるらしい。自己紹介等で話すと、結構意外に思われ、このギャップもあってか、その後の会話がスムーズにつながることがある。
ギャンブルネタには、時候のあいさつと同じくらいの便利さを感じている。
私の場合の時候とは、もっぱら桜花賞であったり皐月賞、菊花賞であったりする訳だが・・・。
『ギャンブル』とういう言葉の響きには、何となく暗くて胡散臭いイメージが付きまとう。「悪の根源であり破滅と堕落への一本道」などとさえ言われる始末である。一方、以前イギリス・スウェーデンで行われた調査では、「ギャンブラーのほとんど全ては節度を保ち生計を破壊することはない。」と結論づけているものもあるとのこと。
パチンコ台に座り盤面を見つめていると、何も考えず「無の境地」さえ感ずるときがある。競馬の予想は、データを読み解き展開を推理することで頭の中はフル回転である。多分にボケ防止につながっているような気がする。4人でコミュニケーションを図ることは何よりの気分転換であり、貴重な情報源でもある。ロト6では、ちょっと夢を見ることが出来る。・・・・・家人へは、全てが明日への活力源とつぶやいている。
『古代インドの王侯貴族にとって、賭博は、数学的才能を磨き、相手の心理を読み取る重要な修練、習得しなければならない技芸の一つであった。』こういった記事を目にすると、ちょっと心強い気もしてしまう。
ギャンブルの起源は古く、人類が文明を築き始めた頃に遡ると言われる。『神々がダイスを振ってギャンブルに興じる。』古代エジプトの墳墓からは、こういった壁画も出土している。また、『日本書紀』には、持統天皇の時代に我が国初の賭博禁止令が出された旨の記述も残されている。
多分、人類とギャンブルは、これからも切っても切れない関係が続いて行くのだろうが、私自身も、ギャンブルの持つ負の側面を十分自覚しつつ、これからも節度を持って付き合っていきたいと思っている。
閑話休題
これでノルマ達成と思ったが、『「部長は新しい研修体系でも紹介したら・・・。」』という担当者の声がどうしても耳から離れず、ギャンブルネタの後で恐縮ですが、ちょっとだけ新しい研修体系について紹介させていただきます。
当センターでは、昨年度、『職員一人一人の能力・意欲の向上に努め、東日本大震災からの復興を担う若手職員の育成、新たな行政課題への対応といった研修ニーズに応える。』をコンセプトに、平成4年の開所以来4度目となる「研修基本要綱」の改訂を行いました。
これを踏まえ、平成28年度からスタートした新たな研修体系では、特に、
① スピード感のある人材育成
② 職員のモチベーションアップ
③ 職員のメンタルヘルスケア
④ 管理者・監督者層の危機管理能力の開発
といった視点を重視しています。
また、この新たな研修体系下で実施する研修科目・講座のうち外部委託となる32の科目・講座については、事前に公募型プロポーザルを実施したところ、17の研修事業者から157件もの提案をいただき、より当センターの考え方に沿ったカリキュラムの構築が出来たものと考えております。
詳しくは、当センターのHPに今年度の『研修概要』(※)を掲載しておりますのでご覧下さい。
新たな研修体系の下、今後とも、より実効性の高い人材育成を体系的・計画的に推進してまいりますので、関係の皆様のご指導、ご協力をよろしくお願いいたします。
最後に、寺山修司氏の一節を紹介して終わりたいと思います。
『「あした何が起こるかわかってしまったら、あしたまで生きるたのしみがなくなってしまう。」これが賭というものであろう。』
※前号参照(http://www.f-jichiken.or.jp/column/H28/ito253.html)
※研修概要(http://www.f-jichiken.or.jp/kensyu-gaiyou/kensyu_gaiyou.pdf)
※ このコラムは執筆者の個人的見解であり、公益財団法人ふくしま自治研修センターの公式見解を示すものではありません
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