2016.12.7
  「食わず嫌い」



   「食わず嫌い」
  1 食べたことがなく、味もわからないのに嫌いだと決め込むこと。また、その人。
  2 ある物事の真価を理解しないで、わけもなく嫌うこと。
                                            (デジタル大辞泉)

 私は小さい頃から蕎麦が苦手でした。年末に家族で食べる年越し蕎麦も、わがままを言って一人だけ年越しうどんに変更してもらったことがあります。
 新人の頃、管内を出張する機会が度々ありました。出張の楽しみと言えば、お昼ごはんに何を食べるかですが、そんなにゆっくり時間をかける訳にもいかないので、大半は蕎麦屋かラーメン屋でした。どちらにするか選択権をもらえれば、即座にラーメン。蕎麦屋に行くことになれば、食べるのは、うどんか丼物。決して蕎麦は食べませんでした。
 そんな私ですが、今では割と蕎麦が好きです。蕎麦会で手打ち蕎麦をごちそうになったことがきっかけです。
 「美味しい・・・。」
 何を隠そう、生まれてこの方、本格的な蕎麦を食べたことがありませんでした。私にとっての蕎麦は、乾麺を若干ゆで過ぎて歯ごたえがなくなってしまったものだったのです。
 蕎麦粉100%のコシのある香り豊かな蕎麦を食べた時、蕎麦に対するイメージが180度変わりました。こんなに美味しいものを頑なに避けてきたとは。もったいないことをしてきたなと思います。

 私には「食わず嫌い」だったものが結構あります。その代表格が蕎麦ですが、もう一つ大きなものをあげるとすれば美術館でしょうか。
 美術館。なんとも高尚な感じがして、自分とは関係のない世界のものだと思っていました。著名な画家の知識もなければ、絵の価値も全然わかりません。絵を描くことが下手なことも影響していたかもしれません。
 昔から旅行が好きで友人とあちこち行っていますが、行き先を決める時、美術館を推す声がないことをいつもこれ幸いと思っていました。
 ところが3年前、遂にその日が来たのです。一瞬躊躇したものの、そこは団体行動です。数ある目的地のうちの一つと思って甘んじて受け入れました。とはいえ、いざ美術館を前に尻込みしている私に、友人が言ってくれたのです。
 「別に絵のことを知らなくたっていいんだよ。なんか好きだなぁって思うものを中心に見て行けば。」
 そっか。それでいいのか。その言葉で少し気が楽になりました。早く見終えてしまったら、館内のカフェでお茶して待っていると伝え、案内の順に観ていくと、なんかいいと思う絵、意味が全然わからない絵、色々ありました。現代アートが面白く、空間や案内表示がオシャレ。個人的にはアートよりも建物に惹かれた美術館デビューでした。
 この3年間でいくつかの美術館に足を運びました。今後行ってみたい美術館もいくつかあります。機会を見つけて行ってみようと思っています。

 「食わず嫌い」から一歩踏み出してみて、福島の蕎麦がとても美味しいこと、美術館が楽しい場所であることなどを発見し、世界が少し広がりました。
 皆さんも、「食わず嫌い」をしているものに、チャレンジしてみてはいかがですか? 知らなかった魅力を発見するかもしれませんよ。



※ このコラムは執筆者の個人的見解であり、公益財団法人ふくしま自治研修センターの公式見解を示すものではありません