2017.8.30
  「楽しい教室

                                               主幹 斎藤 才子


 
約1年前から「教室」に通い始めた。
 教室は毎月奇数週の土曜日、9時から16時まで開催される。
 朝7時前に自宅を出発、軽自動車で片道約2時間かけて移動する。
 行き先は奥会津の三島町である。

 通っている教室の名前は「ヒロロ細工定期教室」。
 「ヒロロ細工」は国から伝統的工芸品に指定されている奥会津の編み組細工の1つで、他には山ブドウ細工やマタタビ細工がある。

 実は、自分が教室に通い始めたとき、「ヒロロ細工」が何なのかはよく知らなかった。
 新聞記事で「1回500円で伝統的工芸品を作る」を見たことがきっかけになったのだが、さて、行ってみてビックリ。スタートは草で「縄を作る」だった・・・。
 教室の先生や三島町在住の先輩方が縄を作る時は「シャッ、シャッ」と気持ちいい音がして、みるみるきれいな縄ができていく。
 縄なんか作ったことのない私がやると「ジョーーーリ、ジョーーーリ」、できた縄は太さが不揃いで、なんだかヨレヨレしている。
 「初めてだもの仕方ないよねぇ~」と次のステップに進んだけれど、すぐに「縄が要」ということに気づかされた。縄の不揃いは、モワダという木の皮を編み込んでいっても、ごまかせない。それどころか、編み込んでいくときの力加減も不安定だから、形はだんだんゆがんでいく。
 出来上がったミニトートバッグは、「完成した」という達成感はあったけれど、下から上に行くにつれて、広がったり狭まったりを繰り返し、壺のような「くびれ」があった。左右の高さも揃っていない。
 最初からうまく作れるはずがないと分かっていても、この出来映えは自分としては悔しかった。

 冬は軽自動車(しかも四駆ではない)で奥会津に通う自信がなかったので、「冬休み」をとった。冬休み前に必要な材料を買い込み、自宅で黙々と復習した。
 第2号は第1号に比べ、少しは良くなったけれど、やっぱり形がいびつで不満足。
 やはり教室に行かねば、との思いが強くなり、4月から教室通いを再開、現在第3号を制作中である。

 教室に行くと、先生はもちろんだが、他の生徒さんに教えてもらうことがある。どちらかというと、そっちの方が多いかも知れない。
 基本は先生が教えてくれるが、他の生徒さんはちょっとしたコツを教えてくれたりする。みんなそれぞれに経験・試行錯誤した上でのアドバイスなので、非常に参考になる。
 家の中で一人黙々とやっていたら気がつかない。だから、「教室に行かなくちゃ」と思う。

 教えてもらうことはヒロロ細工のことだけではない。
 生徒さんの中には白河市やいわき市、相馬市の人もいる。一番遠い人は群馬県から通っている。みんなと地元の食べ物やイベントの情報交換をするのは楽しい。
 年上の生徒さんから、ちょっと昔のことを聞いたりするのもとても楽しい。世の中が便利になって良かったこと、逆に残念になってしまったことなど、いろいろ気づかされることがある。
 お昼ご飯は教室でお弁当を食べる人が多いが、食べているとタッパーやビニール袋が次々と回ってくる。中に入っているものは旬の野菜や山菜などのお料理。時には食べたことのない食材や、調理方法もある。当然、レシピの話題で盛り上がる。
 ちなみに、ある先生は「お昼は箸だけ持ってこればいいから」と。その通りだと思う(笑)

 きっかけは「1回500円で伝統的工芸品を作る」だったけれど、今は三島町の特別町民になっているので受講料は無料。ヒロロ細工が作れて、たくさんの人といろいろな情報交換ができて、私にとっては非常にお得で楽しい教室となっている。
 これからも安全運転を心がけ、教室に通いたいと思う。

※ このコラムは執筆者の個人的見解であり、公益財団法人ふくしま自治研修センターの公式見解を示すものではありません