2018.4.23
  「Startup!

                                   主幹 伊藤 智美


 
ただいま、平成30年度政策研究会の研究員を募集しています! (5月9日まで)

 『政策研究会』とは、県や市町村、公社等団体の職員が少人数のグループに分かれて与えられたテーマ(地域課題)の解決に向けた政策を提言する活動です。学生時代にゼミを経験した方は、あの活動イメージでしょうか(私自身は経験がないのであくまでイメージでしかないんですが…)
 新聞やテレビのニュースなどを見ていると、こういった「課題を解決する手法や事業を考える、提案する」といった活動は意外と多く見受けられます。特に東日本大震災と原子力発電所事故を経験し、課題先進地ともいわれるここ福島ではこういう活動が増えているのかもしれません。そこから、提言・提案されるのは自治体の政策や事業だけでなく、新規ビジネスだったり、活動から人脈が広がったり、新たな取組みが始まったり、と多様な分野で次への展開へつながっています。

 センター政策支援部が主催する政策研究会は、これまでも地方自治体が抱える地域の課題をテーマとして設定し、県内自治体にモデル地区を置き、現状と課題、全国の先進事例などについて有識者からの学びや意見交換、現地調査、グループワークなどにより深堀りしていき、課題解決へ向けた提言をまとめてきました。政策支援部は、県内自治体の政策形成を支援するという役割を担っており、研修機関としての職員の能力向上、人材育成という側面ももちろんありますが、実際の政策につながるような実践的な提言を目指して活動してきました。
 この政策研究会を平成24年度から5年間実施してきたところで、平成29年度にこれまでの活動成果を踏まえ、より充実した活動となるよう事業内容を再検討しました。
 その結果、新たな試みを取り入れて、5月からいよいよ今年度の政策研究会がキックオフします。
 政策研究会活動の『ウリ』は、

  •  精鋭講師陣と少人数参加者による密度の濃い学び
  •  現状・現場に基づく実践的な研究活動
  •  自治体の枠を超えたより広い視野の形成及び多様なコミュニケーション機会
  •  グループワークにより深まる議論と仲間との絆
  •  優れた提言は事業化につながる高いモチベーション
 今年度取り組む新たな試みとしては
  •  調査研究テーマをフィールド自治体のリアルな課題とし、解決策を提案
  •  自治体職員だけでなくテーマに関連する民間団体等からも参画して、多様なメンバーにより広い視点と実効性を高める
  •  フィールド自治体の次年度事業化を見据えたスケジュールで活動
  •  フィールド自治体での出張開催やセンター宿泊での集中ワークショップを実施予定
  •  必要に応じて先進地視察も可能(経費は所属自治体負担)

というわけで、今回の調査研究フィールドは「葛尾村」です。
 葛尾村が抱えるリアルな課題であるテーマには、「村営施設の効果的な運営を視野に入れた交流人口拡大」を設定しました。

 葛尾村は、ご存知のとおり、東日本大震災に伴う原子力発電所事故により全村避難を余儀なくされ、平成28年6月の避難指示解除(一部地域を除く)によって、ようやく復興へ向けてスタート地点に立ったところです。震災前約1,400人いた人口は現在220人程度で、帰村率は16.6 %となっています。
 村は帰還環境を整えるため、これまでハード整備を中心に公共施設の修繕や新たな交流施設の建設等、精力的に取り組んできました。 今後は、それらの施設や従来からある地域の豊富な資源を生かして住民の帰還を促進するとともに、ソトから人を呼び込み交流人口等の拡大を図っていくことも重要であると考えています。

 そこで、政策研究会は、葛尾村の現状・現場を調査し、葛尾村職員だけでなく県や他の自治体等職員、さらにソトの視点も生かしながら村の地域資源の魅力を高め、交流人口等拡大に資する施策を研究して提言をまとめることとしました。
 もともと大きな自治体というわけではない葛尾村が、『小ささ』を逆手にとって強みにする、そして限られた予算の中でなかなか派手なことはできないけれど地道に取り組んでいくことで、住民一人ひとりが輝けるまちづくりを目指して模索していきたいと考えています。

 キックオフとなる第1回政策研究会は平成30年5月15日(火)に現地開催としまして、葛尾村で行います。村の現状や課題、政策研究会への期待を村長から直接お話しいただける貴重な機会です。
 また、ソトからヒトを呼び込むことを考える上での一つの切り口として、近年注目される「関係人口」に焦点を当て、全国を取材しながら関係人口拡大に尽力されている月刊「ソトコト」編集長の指出一正氏をお招きしてご講演もいただきます。

 規模の大小はありますが、多くの自治体にとって公営施設の効果的な活用や交流人口等の拡大は共通する地域課題であり、参加いただく研究員の皆さんには、この調査研究を通して所属自治体の地域活性化へも応用できるヒントが得られることを期待しています。
 人口減少・少子高齢化に代表されるように厳しい地域課題を抱える現在、自治体等職員は、法律や規定に則って型通りの業務を遂行するだけでは住民に期待される役割を果たしていくことは難しくなっています。問題発見力、問題分析力、調整力、企画力、論理的思考、コミュニケーション力などいわゆる政策形成力の要素は、企画立案を担当する方だけでなく、どの所属でもどんな職種でも求められてくる重要な資質ではないでしょうか。

 政策形成力を磨くこのチャンス、活かしてみませんか?

  
  グループワークの様子(平成28年度政策研究会より)
 
  
  現地視察、現地インタビューの様子(平成28年度政策研究会より)


応募様式等詳細は、下記URLからご覧ください。
http://www.f-jichiken.or.jp/tyousa-kenkyuu/seisakukenkyukai/seisakukenkyukai.html

※ このコラムは執筆者の個人的見解であり、公益財団法人ふくしま自治研修センターの公式見解を示すものではありません