2018.7.25
  「愛車遍歴
                                主任主査 仁後 篤比古

 
 私は車が好きで、関連するテレビ番組をいくつか見ているが、中でも、芸能人やスポーツ選手といった有名人をゲストに迎え、愛車とともに人生を振り返るという番組が好きだ。
 例えば、若い頃には一般人が買えないような高価な車を乗り継いでいたのに、今はエコカーで満足しているなど、様々な人の車に対する価値観の変遷が見えるのが面白い。

 今回は、自分版の愛車遍歴を書き連ねたいと思う。
 なお、項目の番号は所有した順番、括弧書きは所有期間(西暦)を表している。

1 ホンダ・コンチェルト(1995~1997)
  元々は、父が1988年に新車で買った車。当時はF1でマクラーレン・ホンダが無敵の強さを
 誇った時期で、ブランドイメージの良さからホンダ車を選んだのだろう。
  下ろしたての時期に家族5人で松川浦の潮干狩りに行った思い出がある。
  私が譲り受けたときには、既に走行20万キロを超えていたが、機械面のコンディションは良
 好だった。特に、エンジンの吹け上がりがよく乗りやすかった。また、4WDだったため、雪
 道の運転も心強かった。
  ただし、燃費が余りよくなく(9km/㍑)、足回りが劣化しており、コーナーリングの際に外
 輪側にぐっと車体が傾斜することがあった。
  当時は大学生で時間の余裕があったため、今は亡き祖父を乗せて、人工透析のため幾度とな
 く自宅とクリニックの間を送迎した思い出がある。

2 日産・セドリック(1997~2000)
  父が突然中古で買った車。1990年式と記憶している。
  ディーゼルエンジンであったため、比較的燃費がよかった(9km/㍑)。当時は軽油の価格が
 70円/㍑ 前後だったので、「お財布にやさしい」車だった。シートのサイズが大きく、前後席
 ともゆったりと座れる作りがよかった。
  ただし、当時のディーゼルエンジンは、現代の「クリーンディーゼル」と違い、黒煙がモク
 モク(特に冬の朝にエンジンを始動するとひどかった)、何より残念だったのはパワーが乏し
 く、高速道路で上り坂にさしかかるとズルズルと巡航速度が低下することだった。また、重い
 ディーゼルエンジンを前に積んでいるため、前後重量配分が余りよくなかったのであろう。雪
 道の上り坂発進はからきし駄目で、後続車の運転手に押してもらったことが何度かある。電装
 系も弱く、燃料の噴射ポンプとエアコンの修理で30万円以上かかった。さらには、ピラーレス
 ハードトップ(前席と後席の間の柱がない)で、窓を開けたときの開放感は得られるものの、
 横から衝突された際に乗員を守るのは前後のドアのみ。今から考えると少し怖い。
  当時、学生時代の友人が「グロリア」(セドリックの兄弟車)のガソリンターボ車に乗って
 おり、嫉妬心を覚えたものだった。
  今は亡き祖母を乗せ、エアコンが壊れた状態で埼玉県の大叔母の家に行ったことが最大の思
 い出。

3 スバル・インプレッサ(2000~2007)
  初めて自分のお金で買った車(ディーラーの試乗車だった車)。前車の「パワーがない」と
 いうストレスの反動から、パワーのある車が欲しくて買った。
  すさまじいパワーの持ち主で、パワーの面でストレスを感じたことは一度もなく、4WDの
 走行安定性にも舌を巻いた。燃費もまあまあだった(9km/㍑)。
  ただし、乗り心地が固く、慣れるまではお尻と腰が痛かった。また、マニュアルミッション
 だったため、渋滞にはまると少々厄介だった。クラッチペダルを踏む左足の疲れもさることな
 がら、発進・停止を繰り返しているとギュルギュルという異音が鳴った。
  4ドアだったが、当時は独身だったため後席を使うことはほとんどなかったが、気軽にあち
 こちへと出かけたものだ。自由を満喫し、全てが輝いて見えていたあの頃が懐かしい(?)。

4 日産・ローレル(2007~2012)
  結婚を機に中古で買った車。妻がオートマチック限定免許で、前車が共用できなかったため
 に買った。
  この頃は落ち着いてゆったりと乗れる車を志向していた。本当はターボ車が欲しかったが、
 値段が高かったため、2.5リットルの自然吸気エンジンを選んだ。
  今ではほとんど見られなくなった直列6気筒エンジンを搭載しており、吹け上がりが素晴ら
 しく、パワーも十分、姉妹車のスカイラインと足回りが共通のためであろうか、コーナーリン
 グもスムーズ。デザインも水平基調で好みだった。
  ただし、燃費は非常に悪く(6~7km/㍑ しかもハイオクガソリン対応車)、2008年夏頃にガ
 ソリン価格が高騰した際には190円/㍑近くまで行った記憶がある。
  長男が産まれたときに乗っていた車だが、「ローレル」と言う車は一般的なイメージとして
 「おっさん車」の代名詞の一つであり、上述の燃費の悪さも重なって、妻からはやや不評であ
 った。長男が小さい頃、家族3人でたまに仙台まで遠乗りしたものである。長男曰く「うっす
 ら記憶はある」とのこと。

5 トヨタ・クラウン(2012~)
  今の愛車(中古購入)。何を思ったか、妻からの「買い換えてもいいよ」の一言が買い換え
 のきっかけ。我が家では妻がその気になれば、あらゆることが動き出す。
  この一言を受けて、私は、一所懸命ならぬ「一車懸命」に全身全霊をかけて愛車選びに取り
 組んだ。車種選定の途上で輸入車も候補に挙がったが、今もお世話になっている車屋さんから
 の助言(「部品代が高い」「部品の入庫に時間がかかる場合がある」)を受けて国産車に絞っ
 たのだった。
  このモデルは2003年に発売されたもので、私の車は2006年式である。今までのクラウンのイ
 メージ(「年配向けの車」)を払拭すべく、デザインやメカニズム(直列6気筒エンジンから
 V型6気筒エンジンに変更)を一新し、「ゼロクラウン」のキャッチコピーを掲げていた。発
 売当時、そのデザインに惚れ、「いつかはクラウン」の思いを持っていたが、ほぼ10年越しの
 思いが叶い、手に入れることができた。
  町中を走るクラウンのボディカラーは、ほとんどが白・銀・黒だが、珍しい色がいいと思い
 新車当時設定されていた赤を探してもらったが、全く流通しておらず、半年待った結果、赤茶
 色(ブラッキッシュレッドマイカメタリック)の車に巡り会うことができた。同じ色の車をほ
 とんど見かけることがないのがちょっとした自慢である。
  乗って驚いたのが静粛性の高さである。滑らかな路面では、タイヤから発する走行音がほと
 んど聞こえず、特に雨のときには、他の車では水しぶきの音が車内に盛大に入ってくるところ
 壁1枚隔てかのように音が小さい。窓の遮音性も高く、対向車とすれ違ったときの音が明らか
 に小さい。実際に、我が家にある軽自動車とタイヤハウスを見比べてみると、軽自動車が鉄板
 むき出しの部分が多いのに対し、クラウンはフェルト地のカバーでタイヤハウス全面が覆われ
 、遮音対策が取られている。ハイオクガソリン対応車だが、燃費も前車と比べると断然よく
 (8~9km/㍑)、車そのものの進化を実感する。
  ただし、タイヤ価格の高さには閉口もので、225/45R18という大径偏平サイズが災いし、国産
 タイヤの店頭価格は概ね、夏タイヤが1本30,000円/本以上、冬タイヤに至っては1本40,000円
 以上もする。また、後輪駆動のため、積雪時の発進の際に滑ってしまうことがある。
  長女の出産を控えて妻が入院していたとき、長男を乗せて幾度も自宅と病院を行き来したも
 のである。その長女も今年の4月から幼稚園に入り、この車を「クラン、クラン」と呼んでい
 る。

 以上、書き連ねてきたが、今まで乗ってきた車種は全て「セダン」である。
ミニバンやSUVが流行する中、よく「セダン」に乗ることを貫徹してきたものだと我ながら思う。
 私としては、安易に流行に流されることなく、これからも「セダン道」を極めていきたいと思う今日この頃である。


現愛車と桜


※ このコラムは執筆者の個人的見解であり、公益財団法人ふくしま自治研修センターの公式
 見解を示すものではありません。