ある日、妻から「そう言えば最近、家族旅行してないよね。」と話しかけら
れた。
「あぁ、そうだな」と返事をしながらも、自分もちょっと気になっていたと
ころである。
「最近」と言っても、ここ1、2年の話しではない。
県内に日帰りで出かけることはあるのだが、それでも、家族全員が揃って出
かけることは年に1回か2回くらいであり、ましてや県外に宿泊を伴う家族旅
行は10年以上していないのではないだろうか(私の中では、旅行というと宿
泊を伴うもの、勝手にそう思っている)。
子どもが部活などで忙しく、なかなか全員の都合が合わないのがその主な原
因なのだが、子ども中心の生活にならざるを得ないことを考えるとそれも仕方
の無いことかとも思う(子どもの応援などを通して、様々な経験をすることが
できたし、素敵な思い出も沢山いただいたので、それはそれで良かった)。
とはいえ、家族揃って県外旅行をしたのはおよそ2年前のことであり、子ど
もにせがまれたことがきっかけだった。たまたま、全員の都合が付いたことか
ら、急遽、出かけることとなったもので、全く計画性の無い旅行であった。
行き先は、私と妻が鎌倉、子どもたちが東京である。要するに、子どもたち
を途中で降ろして、そこから別行動を取ったということ。
娘たちを「夢の国まで送り届けること」が一番の目的だったと言っても過言
ではない。現に鎌倉に行くことを決めたのは、娘たちと別れてから立ち寄った
コンビニの駐車場である。
無計画にもほどがある、そう思いながら、当日は天候も良かったので、「海
を見ながらドライブでもする?久しぶりに鎌倉あたり行ってみる?」と軽いの
りで妻に相談(一応)するとOKのサイン。こんな感じで鎌倉行きが決まった
わけである。道が空いていたこともあって、思いの外早く、鎌倉に到着。
鶴岡八幡宮にお参りをして、参道にある鳩サブレーに寄って、お土産を購入
し、鎌倉焼きを食べながら、ちょっと街を散策。その後、江ノ電に乗って江ノ
島に行こうかということになり、鎌倉駅へ向かったのだが、あじさいの季節も
相まって駅は大混雑(考えが甘かった)。案の定、車内はぎゅうぎゅう詰め。
車窓から景色を見る余裕もなく、ただ、移動したという感じ。
江ノ島は相変わらず、人が多く、車やバイクが騒がしかったが、浜風がほど
よくそよいでいて、初夏の感じすらする陽気。妻と2人で鎌倉、江ノ島に来る
のは久しぶりだったが、昔を懐かしみながらも、短い時間を満喫した。
その後、東京で子どもたちを拾い、家路についた。こんな具合で途中、別行
動ではあったものの、旅行は良いなと思える1日だった。
子どもが大きくなると、皆一緒に家族旅行をすることが難しくなるから、子
どもが小さいときにできるだけ出かけるようにした方が良いよと言われたこと
があったが、その通りだなと今になって、つくづく思うのである。
一番下の娘が中学生で部活に入っていることから、家族全員での旅行(長期
) は、当分の間、難しいかもしれないが、機会を見つけて旅行に行きたいと思
う。その時は、当然に計画を立てて、皆が楽しめる旅行にしたいものである。
※ このコラムは、執筆者の個人的見解であり、公益財団法人ふくしま自治研
修センターの公式見解を示すものではありません。
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