2018.10.10
 「中学生になった野球少年」

                                主幹 貝羽 真紀子


 
中学生になった息子は、野球部に入部した。
 周りの誰もが野球部に入るだろうと思っていた中、本人は、一応、何部に入るか迷ったらしい。  
 ひそかに得意な卓球、実験などがおもしろそうな科学部、でもやっぱり・・野球部に決めた。  幸運なことに、5月の連休から試合に参加することができたが、やはり先輩方に気を遣うらしく、試合中はかなり精神的に疲れたらしい。
 小学校時代、先輩方とはソフトボールで一緒にチームを組んでいたとはいえ、中学生になり、部活ともなると、上下関係が厳しいのが野球部だ。
 私は、この野球を通して、子どもながらにたくさんのことを学んでいるんだなあ・・としみじみ思い、子どもの成長を感じている。

 野球部ならではのすばらしいことが3つもある。
 まず1つ目は、「礼儀」だ。
 部員全員、「あいさつ」「返事」がすばらしい!
 誰が先輩かもわからないほど仲のいい部活動もあるが、野球部に関しては皆無かもしれない。楽しく部活動してもらいたいと思うものの、その仲良し部活動で上下関係を学ぶことができるかと考えたら、それはNOだと思う。
 社会に出たら、上下関係は必ずあるものだし、その上下関係や言葉遣いなどを、今から身につけることのできる環境は野球部ならではだと感じている。
 息子は、野球を通して、目上の人に対する態度、言葉遣い、そして状況を察し、自分が何をしなければならないのかを読み取る力を着実につけている。
 そして、2つめは「協調性」だ。
 野球はチームプレーだ。1人の力がすばらしくても、レギュラーだけががんばっても、勝つことはできない。
 それに、みんなが試合にでることはできないし、みんなが4番バッターでもないし、みんなが俊足とは限らない。それぞれが自分の持つ力を出し合って、それがうまくかみ合って、初めて勝利につながる。
 自分がこのチームの中で、何を求められているのか、それには何をしなければ(準備しなければ)ならないのか、各々が考え、実践することが大切になってくる。
 自分の役割を理解して動ける人であること、これは、社会人になってからも必要不可欠な要素であると思う。
 そして、3つめは「コミュニケーション力」だ。
 練習中、声をかけ合わないと、衝突してしまったり、ボールがぶつかったりとグランド上は危険で満ちている。
 試合中も、声を出し、状況を確認し合ったり、励まし合ったりすることはもちろんのこと、先のことを考えて発言する機会もたくさんある。特に、守備側はいろいろな場面を想定し、言葉を発することが重要だ。
 頭を使うスポーツだなあ、と常々思っているが、頭で考えただけではチームに伝わらない。チーム全体で共有することが目的でもあるので、言葉によって発しないことには伝わらない。
 このことからも野球は、発信する力、コミュニケーション力というのがおのずとついてくるスポーツだなあ~と改めて思う。

 息子よ、心身共に強くなって、試合では1つでも多く勝てるよう、チーム一丸となってがんばれ!!

 ※ このコラムは執筆者の個人的見解であり、公益財団法人ふくしま自治研修センターの公式  見解を示すものではありません。